「桜の塔」と正義

 「桜の塔」の第一話と第二話を続けてみました。

 玉木宏さんが警察のトップに上り詰めるために、上層部に認められるような手柄を次々とあげていく、サクセスストーリーかと思っていました。

 しかしその裏には手柄を得る為に、様々な裏工作や犯人に仕掛けた罠など、表だってはわからないようにしていますが、今のところ「限りなく黒に近いグレー」というところで話が進んでいます。

 これまで見てきた刑事ドラマの中での警察組織は、年齢や実績よりも地位やキャリアが第一で、ついでに言えば警察の上層部の息子なども若い内から好待遇を受けています。

 玉木宏さんは親のコネもなく自分の努力で這い上がってきたような立場ですので、同じポストでもコネのある人間たちには見下され、出世レースでは不利な状況にありますので、大きな事件を解決に導いて上層部に認めさせなくてはならないと躍起になっているのだと思います。

 足を使い地道に捜査をして犯人を追い詰めるという広末涼子さんタイプの刑事とはことある毎に意見がぶつかります。

 警官だった玉木さんの父親にあこがれて警察官になった広末さんですので、玉木さんがなぜそこまで警察内での地位にこだわるのかも理解できなかったようでした。

 玉木さんの父親は自殺したのですが、死ぬ前に玉木さんにメッセージを残したシーンが、何度も流れました。そのメッセージは、なかなか明らかにならなかったのですが、最後の方で「俺は警察に殺される」と聞こえたことで、自分の父親を死に追いやった警察内部の膿を出し切ると決心したことがわかります。

 自分の父親の死の真相を突き止めるという目的のために、どこまで何をやってくるのか、それはいつかばれてしまうのか、それともばれずに上り詰めるのか。

 椎名桔平さん演じる直属の上司やその娘の仲里依紗さんの役どころも気になります。