今日はシリーズものの中から「遺留捜査」について書きました

 1クールごとに順番に放送が続いているシリーズものの刑事ドラマがあります。今回はその中から上川隆也さん主演の「遺留捜査」について書いて見たいと思います。

 「遺留捜査」とは文字通り「事件現場の遺留品」から犯人の手がかりや証拠を割り出していく捜査方法です。ただ上川さん演じる糸村刑事は、一見すると何ら事件とは関係無さそうな遺留品にこだわり続け、時には一人で違う方面の聞き込みに行ったり、科捜研に勝手に鑑定を依頼したりといったマイペースさが際立っています。

 最後はそれが有力な証拠につながったり、被害者の知られざる一面がクローズアップしたりします。

 お決まりのシーンに糸村刑事が「ぼくに3分だけ時間を頂けませんか。」と言って、犯人や被害者と関わりの深い人に自分の推理したことを話すところがあります。試しに本当に3分なのか測ってみたことがありますが、7〜8分はかかっていました。

 もちろん実際の時間が問題なのではなく、ケンカ別れした友人や家族が、被害者の知られざる一面を知り涙するですとか、殺人を犯した犯人が殺した相手を誤解していて、自分が恨んでいた相手は全く別の人間だと気づき後悔するという展開がこのドラマの奥深さだと思います。

 日本人は「勧善懲悪」的な「事件が起き,懸命な捜査の末、犯人が逮捕される。さらにその犯人が散々逃げ回った挙句、手錠をかけられると胸がスッとする」というところがありますね。しかしこのドラマは、犯人が捕まって終わりではなく、犯人や被害者の知られざる一面を、様々な遺留品を辿ることで明らかにしていくという独特のストーリーになっています。そこがこのドラマがシリーズになって続いている所以かも知れません。

 ちなみに科捜研の村木さん役の甲本雅裕さんが、文句を言いながらも糸村刑事の鑑定依頼を受け、明らかになった鑑定結果を自慢げに話すシーンもいい味を出しています。

 次のシリーズも楽しみです。