今クールで印象に残ったドラマ3

  印象に残ったドラマの3つめは、「監察医・朝顔」です。前回の放送時は、「月9のドラマとしては、暗い」ですとか、「月曜日から人が死んだり解剖はどうよ」と言う話も聞きました。

 いつものことながら私見ですが、私は前回の放送から注目していた作品です。元々警察ドラマは欠かさず見ていましたが、この作品の根底にあるのは、単なる警察ドラマではなく、①事件や事故で犠牲になった人を解剖によって、真実の声を聞く。②悲惨な事件と朝顔やその家族の平和な日常を対比し、家族と過ごす当たり前の日常のありがたさを再認識する。③3.11で犠牲になったであろう母親の存在を通して、10年前の震災を風化してはならない。

以上の3点がメッセージとして込められていたと思います。

今回1クールで終わらず、3月まで伸ばしたのも、3.11につなげるいとがあったのも明らかです。

 時任三郎が警察を引退して、認知症にかかり、色々なことを忘れていくという描写も、私たちの身にいつ起こってもおかしくないことを表しています。

 上野樹里さんの監察医としての顔、ツグミの母としての顔、平の娘、岩手に住む祖父の孫としての顔、微妙な表情の違いを演じ分けていたのはさすがと思いました。

 現実社会でも人が死んだり殺されたりがある中、桑原家の穏やかな日常を見ると、何かほっとする。単なる警察ドラマに終わらない奥深さを感じました。

 続編の可能性は薄いですが、あったらまたみたいです。